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退職金規程の盲点
退職金は適格退職年金や中小企業退職金共済の積立による、会社と切り離された制度では決してありません。会社は労働者と退職金規程で退職金契約のようなものが結ばれているものであり、適格退職年金や中退共の積立はあくまでも、その退職金の積立部分にすぎません。
そのため適格退職年金を解約すれば、退職金制度がなくなるという誤解をもたれている社長様もしばしば見受けられます。退職金は会社の退職金規程に基づくあるため、その規程が改廃される以外は退職金制度は従前からそのままの姿で残ります。
退職金規程の改正は簡単にできるのか?
退職金規程は就業規則の一部であるため、会社によっては就業規則のなかに退職金としての条項があり、そこで規程が作成されているケースもありますが、大半の企業では別規程として退職金規程が作成されているケースが殆どです。
そのため退職金規程の変更は、就業規則の不利益な変更になるため、そう簡単に変更できないということになってしまいます。
就業規則変更についての判例
■大曲市農業協同組合事件
就業規則の定めが合理的なものであるとは、就業規則の作成又は変更が、その必要性及び内容の両面からみて、それによって労働者が被ることになる不利益の程度を考慮しても、なおその労使関係における就業規則の定めの法的規範性を是認できるだけの合理性を有するものをいうとした。
特に、賃金、退職金など労働者にとって重要な権利、労働条件に関し実質的な不利益を及ぼす就業規則の作成又は変更については、その定めが、そのような不利益を労働者に法的に受忍させることを許容できるだけの高度の必要性に基づいた合理的な内容のものである場合において、その効力を生ずるとした。
■みちのく銀行事件
就業規則の変更により一方的に不利益を受ける労働者については、不利益性を緩和するなどの経過措置を設けることによる適切な救済を併せ図るべきであり、それがないままに労働者に大きな不利益のみを受忍させることには、相当性がないとした